
彼を好きだけど、未だ身体の関係は早い・・・うまく断りたい
私は17歳の高校生です。素敵な彼とお付き合いを始めて2ヶ月が過ぎ、幸せな日々を送っています。
でも最近、彼が私にもっと近づきたいと望んでいることを感じるようになりました。
彼の気持ちは嬉しいのですが、私はまだその気持ちに応える準備ができていません。
それをどう伝えればいいのか、悩んでいます。
あなたの心を素直に伝えましょう(小説風)
彼の手がそっと肩に触れるたび、心の奥で小さな波紋が広がる。優しいその仕草は心地よいはずなのに、同時に胸を締めつけるような罪悪感を呼び起こす。それは、自分の中にあるまだ答えられない気持ちを突きつけてくるからだ。
「今日はちゃんと伝えなきゃ……」
朝から何度もそう心に誓ったのに、彼の前ではうまく言葉が出てこない。笑顔を向けられるたびにぎこちなく返す自分が情けなく思えた。
夜の冷たい風が肌を刺す中、駅近くの人通りの少ない道を二人で歩く。ふと、足が止まり、彼が振り返る。
「どうしたの?」
優しい声が胸に響く。その声に応えるために、大きく深呼吸をして口を開いた。
「ねえ、勇太……」名前を呼ぶだけで声が震えた。勇気を振り絞らなければ。深呼吸をして、少しだけ目を閉じた。
「最近、勇太が私に近づいてくれるの、すごく嬉しいよ。」顔を赤らめながら、彼女は言葉を続ける。視線を彼に合わせると、その目の奥に真剣な気持ちが見えた。
「でも……私、まだ心の準備ができてないの。こういうことを言うのはすごく申し訳ないけど……無理に答えたら、自分の気持ちを裏切ることになるって思うの。」
声が徐々に弱くなり、言葉を絞り出すように続ける。「勇太が私を大事に思ってくれてること、すごくわかる。でも……私も自分を大事にしたいの。」
言い終えたとき、胸の中の緊張が爆発しそうだった。彼の反応を待つ間の沈黙が、あまりにも長く感じられた。
彼は困惑した表情を浮かべ、口を開きかけたが、一度飲み込んだ。そして、少しうつむきながら、ゆっくりと「そうか……」と呟いた。彼の声は少しだけ寂しそうだったが、それ以上は何も言わなかった。
「でも、言ってくれてありがとう。正直、俺も無理に何かを求めてたわけじゃないんだ。ただ……お前のことが本当に好きだから、もっと近くに感じたかったんだと思う。」
その言葉に、彼女の目から自然と涙がこぼれた。「ごめんね……でも、私も勇太のこと、本当に好きだよ。」涙を拭いながら、彼の手をしっかりと握り返した。
彼は小さく頷き、彼女の手を少しだけ強く握り返してくれた。そして、「焦らなくていいよ。」と笑顔を見せた。その言葉に込められた思いやりに、彼女は胸の中で新しい温もりを感じた。
冷たい夜風の中、二人はその場で少しの間、手をつないだまま立ち尽くしていた。
勇気を紡ぐ、ふたりの夜
冷たい夜風が、二人の頬をかすめていく。握り合った手のひらの温かさだけが、心にじんわりと染み込む灯りのようだった。
彼がもう一度、微かに微笑んだ。「言いづらいことを、ちゃんと俺に伝えてくれてありがとう。正直……俺も、どうすればいいかわからなくて、勝手にお前の気持ちを押し量ろうとしてたのかもしれない。」
彼女は目を伏せながら、小さく首を振った。「私も……なんて言ったらいいのか、ずっと迷ってた。勇太が大事だからこそ、嫌な思いをさせたくなくて……でも、これからもちゃんと自分の気持ちを伝えるようにするね。」
彼は少しだけ考え込むように天を見上げ、それから優しく彼女の頭を撫でた。「お前のペースでいいよ。無理する必要なんてないから。ただ……これからもお前の笑顔が見たい。それだけで十分だ。」
その言葉に彼女の胸がじんわりと熱くなる。まるで氷が溶けていくように、心の中の緊張が解けていった。
彼女はそっと微笑んで、「ありがとう。そう言ってくれる勇太が大好き。」と囁いた。その言葉に彼は驚いたような顔をしたが、すぐに恥ずかしそうに笑みを返した。
二人はそのまま並んで歩き出した。何かが変わったようで、でも同じままで。冷たい夜風も、二人の間に流れる温もりを冷やすことはできなかった。
空には、街の明かりに溶けるようにして瞬く星々が見えた。それはまるで、彼女が見つけた「勇気」を祝福しているかのようだった。今夜のことを忘れないだろう。心に刻まれたこの瞬間が、彼との新しい関係の第一歩になると確信していた。
そして、彼女は思った。これからも自分の心に正直でいることが、彼を大切にするための一番の方法なのだと。